子どものカイロ・シナジーマッサージ症例(心と体)
起立性調節障害(12歳女児)
症状
- 朝の寝起きが悪い、頭痛、立ちくらみ、疲れやすい、睡眠障害、食欲不振、顔色が悪い、生理(初潮小5)が止まる。
経過
- 上記の症状を訴え総合病院を受診。診察、検査の結果、臓器障害や器質的疾患などは認められず、「起立性調節障害」と診断される。
- 医師から自律神経の働きを調整するための薬物療法を勧められるが、家族は拒否をする。
- 祖父母の紹介で、当センターに来院する。
子どものカイロによる治療経過
- 2週間に1回のペースでカイロ治療を行うのが適当と判断する。
- 体に対するカイロ治療と並行して、初回よりメンタルケアを行う。
- 毎回、女児のお気に入りの担当スタッフが、約40分間、本人の話を傾聴し、メンタルケアを行う。
- 治療開始1ヵ月目
- 徐々に睡眠障害が改善。顔色がよくなり、食欲も出始める。
- 頭痛消失
- 治療開始2カ月目
- 一時期止まっていた生理が回復。
- 治療開始4カ月目
- 立ちくらみ消失。
- 疲れやすいという訴えもしなくなる。
- 治療開始6カ月目以降
- 月1回のペースで、カイロ治療を続けている。
治療所見・その後の経過
- 受診当初、ご両親、ご家族(祖父母)は、「不登校になるのではないか」「将来が心配」「受験に失敗するのでは」「もしかしたら人格障害では」など、多くの悩みを持っておられました。
- 思春期には、このような症状が多く、この女児以外にも多くの患児が小児カイロの治療を受けています。
- この時期、子どもは、体の成長と共に、精神面(心)も成長して行き、体と心の成長がアンバランスな状態となりやすいのです。
- 同時に、子どもは、さまざまな葛藤を繰り返し「自分がどういう人間であるか」を確信しながら、アイデンティティを確立します。
- 心配されていたご両親にも助言を行い、女児の状況を説明することで、安心、納得して頂くことができました。
- 症状がなくなった現在も、女児の心と体のために友厚の小児カイロ治療を続けられています。
分離不安障害による歩行困難(5歳女児)
症状
- 突然の歩行困難(一歩の前進ができない)
- 全身のこわばり、右下肢(ふくらはぎ、足底)の痛み。しびれ感はなし。
経過
- 突然、歩行困難となり救急車にて公立総合病院に運ばれる。
- 小児科、整形外科、脳神経外科にて診察、検査(血液検査、運動神経能力検査、MRI、X線、脳波、その他)を受けるが異常が認められず一時帰宅するが、歩行困難は続行する。
- 当日の夜(20時頃)、父親から当センターに連絡があり、相談を受ける。(父親自身も、11才の時から友厚カイロで治療を受け、現在も体調管理に当センターを訪れている。)
- 1時間後、両親と共に女児が到着。
子どものカイロによる治療経過
- 症状
- ひとりで立つことはできるが、全身がこわばった状態で、歩行困難を強く訴える。
- 両下肢、特に右下肢(ふくらはぎ、足底)の痛みを強く訴える。
- 検査
- 姿勢運動分析・徒手筋力検査・その他の検査・分析をするも、器質的異常は認められない。
- 治療
- 下肢の筋肉緩和操作、足底の緩和操作をシナジーマッサージにて行う。
- 仙骨のアジャストメント
- 以上、30分間の治療を行う。
- 結果
- 30分の治療後、周囲の人達が驚愕するほど症状が消失。
- 歩行困難、下肢の痛みがなくなる。
- 今にもスキップをしそうな勢いで、笑顔も出る。
治療所見
- 治療の経過から見て、歩行困難の原因は、心因性である可能性が高いと判断。
- 体の治療と共に、ご両親や本人のカウンセリングを行うと、その原因が推察できた。
- 1年前に女児に弟が誕生し、母親と女児とのスキンシップ・コミュニケーションが少なくなる傾向にあった。
- 同時に、「お姉ちゃんだから・・・がまん」という抑圧が生じ、極度の不安感を抱くに至ったようだ。
- その結果、歩行困難という一時的な不安障害が出現したと考察する。
分離不安障害に対する所見・その後の経過
- 弟の出現により、両親が女児に対して期待・忍耐・自立を促したことで、女児の心には苦痛と不安が生じ、さらに、今まで通り両親を独占できない現実が、より強い不安感をもたらしたと考えられます。
- このような分離不安障害は、登園や登校拒否にいたる場合もありますが、この女児の場合には、幸いその兆候は見られませんでした。
- 分離不安障害の解消には、本人が「愛されている」という実感を抱くことが大切ですので、家庭でも女児への接し方を見直して頂くように両親に助言を行いました。
- この女児から歩行困難の症状は、消失しましたが、女児自身の希望で、月1~2回の子どものカイロ・シナジーマッサージの治療を受けています。
- 治療時には、体の治療と並行して、必ず女児の話を良く聞き、長所をほめて、認め、安心感を与えるような心のサポートを行っています。
運動性チック(7歳男児)
症状
- 運動性チック(まばたき、両目)
経過
- 運動会の始まる2週間前から、チック症状(まばたき)が出現する。
- 両親がまばたきを口頭で注意し、やめさせようと注意するが、さらに症状が強くなる。
- 学校で、チック症状が原因の嫌がらせ(いじめ)を受け、登校拒否となる。
- 数か所の小児科を受診するが、症状は改善されなかった。
子どものカイロによる治療経過
- 友厚カイロには、チックが始まって6カ月経過後に、紹介にて来院。
- 子どものカイロ・シナジーマッサージにて治療を行う。(上部胸椎・後頭骨など)
- 月2回の治療が必要だと判断し、治療を継続。
- 3か月経過後、症状が改善。
- その後、経過良好で、チック症状が認められなくなる。
- 現在、本人と両親の希望で、心身の健康維持のため月1回治療を受けている。
治療所見
- 当初、ご両親は、「しつけが厳しすぎるのか?」と、かなり気にされておられました。
- 男児本人は、周囲で思うほどチックの事は苦痛に思っておらず、むしろ、いじめにより、好きだった学校へ行けなくなったことや、仲の良い友人たちと会えなくなったことがストレスとなっていたようです。
- チック症状を無理やりやめさせようとすることや、「おかしい」と本人に注意することは、ストレスを増強させ、症状の増悪をまねきます。
- 男児に対しては、叱ったり、注意するのではなく、長所を思いっきり褒め、存在を認め、本人に自信をつけさせることが大切です。
- ご両親には、その点について十分にご説明し、家庭でも心がけて頂くように助言を行いました。